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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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再び上岡遺跡⑩~昭和27年発掘調査の魅力

 福島の縄文時代の遺跡の話題の中心は、「宮畑遺跡」と「和台遺跡」だろうか。大規模な調査で、その成果も大きいとか。
 上岡遺跡自体も、昭和54年の発掘調査によって、昭和27年発掘調査された時点よりも多くの成果があがっているという。それで、最近の展示会では、そちらの成果を元にした紹介になるようだ。
 それでも、散歩のためには昭和27年発掘調査時点まで戻りたい。そうと思のは、主体性とのかかわりだ。
 そのことを確認するのに、先に縄文時代の発掘の様子を確認して整理した「町頭遺跡」を例に較べる。なお、この「町頭遺跡」については以下のように整理している。
 
 〇 町頭遺跡現地説明会
 〇 町頭遺跡現地説明会②
 〇 町頭遺跡現地説明会③
 〇 町頭遺跡現地説明会④
 〇 町頭遺跡現地説明会⑤
 〇 町頭遺跡現地説明会⑤
 この時の発掘調査は、幼稚園の建設に伴う調査だった。主体性の観点からややモデル的な整理をする。
 まず、「掘って確かめたい」という方だが、多分これは誰もいらっしゃらないのではないかと思う。目的は、ここに幼稚園を建設したいということだ。そのためには、「遺跡を発掘しておかなければならない」ということだろう。主体性という側面からみると、後ろ向きだ。
 掘る方だが、こちらも、市の職員として「仕事だから掘る」ということだと思う。その仕事を選ぶという動機には、主体性があったろうが、この仕事に関して、純粋に「掘りたいから掘る」というわけではないだろうと思う。それでも、地主の方にお願いして、掘らせていただくということになるシステムになっているということだ。
 頼まれた地主の方だって、「掘らせてあげる」という立場だろうか。

 これと昭和27年発掘調査時点の主体性とを比べる。
 まず、目的は、この縄文遺跡を確かめたいということだ。本当は、排水溝をつくろうとしたのが、最初の目的だ。これが、遺跡の可能性を知ると、その目的を排水溝より調査発掘を優先させたいという思いに駆られたということだ。その思いを抱いたのが、地主の方そのものだったということだ。
 次に、それを、最初にサポートするのが、縄文土器に興味があって、趣味に近い形で研究されていた地元の方のようだ。地図で確認すると、この方はご近所さんらしい。
 この方の収集した遺物に触発されていることが、地主の方が、調査発掘を優先させたいと思った背景として影響もあるらしい。
 更には、この方と相談して、どうするか判断の相談相手に選んだのが、これまた地元の中学校の先生だ。教科指導と地元資料の教材化が頭に浮かんだのではないかと想像する。報告書の経過を見ていくと、福島大学教授が遺跡発掘を訪ねる記述がある。ここから想像すると、この中学校の先生は、出身大学の先生に相談して、確認したという経緯を想像する。こういう、ロマンを求める意識が、全体的に広がっていく中で、本格的な調査が必要だという判断になっていったようなのだ。
 その調査手配も、地元の中学校の校長先生から、役職を使って県に依頼するという筋道のようなのだ。こうして、「調べたい」という純粋な探求欲が、村全体につながり、その結果として、発掘調査されたのが、昭和27年の発掘調査ということのようなのだ。
 散歩をするのに、そういう思いが込められていることを想像するのが楽しい。
 
 そういう意味での貴重さだ。
by shingen1948 | 2011-07-27 05:32 | ◎ 埋蔵文化(古墳・それ以前) | Comments(0)