地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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事故原因にかかわる報道の推移~今からおもえば48 

 ずっと気になっていたことがある。
 当初福島原発事故は、「地震と津波」によって起きたということだった。それがいつの間にか「地震による津波」によって起きたことになっていることだ。
 これに基づいて、他の原発で見直し点検されたのは「津波対策」のようだ。事故原因を地震から津波にずらしているのは専門家とメディアの共同作業のようなので、大丈夫だとは思う。それでも、市民の感覚では、これって危うくないのかと不安になってしまう。

 「毎日新聞」(5/4福島版)に、「保安院・寺坂院長が謝罪会見」主な会見のやり取りが記事になっている。
 謝罪内容の現地対策本部が、今でも機能しているとは思わない。しかし、あれっと思ったのはそこではない。事故原因にかかわる発言の部分だ。
 「事故原因は、本格的な検証が行われるべきだが、大きな地震と津波で原発の全電源を喪失してしまい……」という部分だ。
 更に、今回の事故にかかわって、原発の安全対策にかかわって、「今は、津波に対する緊急安全対策を取りまとめて評価したい」とある。

 「事故原因は」という主語に対して、述部は「原発の全電源を喪失してしまい……」ということになっている。原発の全電源を喪失してしまったのは、「地震と津波」でとあるうちの「津波」の方を意図しているということは明らかだ。そして、それが今後の対策の話になると、「津波に対する緊急安全対策を評価」という事になってしまって、地震についてはすっぽりと抜けているのが分かる。

 実は、5/3の「毎日新聞」「記者の目」では、その原因について、「世界」5月号の田中氏の論文を引き合いに出し、「1号機は、激しい地震動による圧力容器配管破損による冷却材喪失の可能性が指摘されている。更に、2号機では爆発理由が水素が圧力調整用の配管を伝ってプールに流れ込み、地震でプールに生じた亀裂から外に漏れた」というメカニズムの推論を紹介する。
 つまり、津波以前に原子炉は地震によって深刻なダメージを受けていたということの指摘だ。

 ところが、同じ新聞なのにその解説はなく、記者会見で深く追求した様子も伺えない。保安院・寺坂院長氏は、多分、原子力発電所については責任ある立場の方なのだと思うのだが、その方がさりげなく原因を地震から津波にすり替える姿勢には、印象深かいものがある。
by shingen1948 | 2011-05-17 05:33 | ☆ 地域・自治話題 | Comments(0)