「福島と戦争」~模擬原爆(パンプキン)投下
2010年 09月 20日
もうちょっと整理したい事が出たので、「模擬原爆(パンプキン)投下」と副題をつけて続ける。
この『模擬原爆』は、「パンプキン」と名付けられた長崎型と同形、同重量(約5トン)の爆弾に通常の火薬を充填したものであることは、先に記した。
そのバンプキン投下の目標設定について確認すると、原爆投下目標とのかかわりで計画されているようだ。
原爆投下目標は、その詳細はいろいろと変遷するようだが、概括すれば、小倉地区・広島地区・京都地区・新潟地区が計画されたように見える。福島の模擬原爆(パンプキン)投下は、その中の新潟地区の原爆投下目標とのかかわりであるらしい。
その新潟地区関係の模擬原爆(パンプキン)投下目標には、次の10地点が選定されたようだ。
(1) 郡山地区90.10:照準点参照90.10-2025保土谷化学工業
① 1088 日本製錬会社(燐生産会社)
② 無番号 操車場郡山
③ 無番号 軽工場郡山
(2) 福島:照準点参照90.10市街地
④ xxⅠ6216 軽工場福島
⑤ 1665 品川製作所
(3) 長岡地区:照準点参照90.9
⑥ xxⅠ6271 軽工場長岡
⑦ 1656 津上―安宅製作所
(4) 富山地区:照準点参照90.11市街地
⑧ 1943 不二越製鋼 東岩瀬工場
⑨ 861 日満アルミニュウム会社富山
⑩ xxⅠ6253 日本曹達会社富山製鋼所
福島県としては、福島と郡山の2地区で、福島が2か所、郡山が3か所ということのようだ。福島の軽工場は、福島製作所であるらしいことは確認できたが、郡山の軽工場は、今のところよく分からない。郡山市街地の西1500mにあった大きな工場ということで、地元の方なら分かるのだろうか。
なお、これは計画の段階の目標で、実施の段階になると、別の目標が登場するようだ。
この目標に投下できない時には、「第二目標」というものがあって、そこに投下する。その場で決める「臨機目標」などというものもある。そのため、実施の段階では、福島県関係としてはここに平地区を付け加えることになるようだ。