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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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大笹生⑬~飯坂古道②

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 果樹園の中を南下した飯坂古道は、栗本堰にぶつかるが、その地点が現在のフルーツラインになる。


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 資料を見ながら実際に歩いてみて、佐藤氏が思い描く飯坂古道はおおよそこんなイメージかと推測する。少しだけこのフルーツラインに重なって、西に曲がって松川をめざす。


大笹生⑬~飯坂古道②_a0087378_554489.jpg
 その道筋と対岸の道筋とが合わさる道筋を描いて、この松川を横切って古道は庭坂地区に向かって進んでいく。


 フルーツラインを通る感覚でこの地域を散策すると、高低差が実感できない。フルーツラインは、そのままの高さを保ちながら松川橋を渡ってしまうからだ。それを、この古道を歩くことで地形を実感することにつながった。
 その一つが、フルーツラインと重なる地点で、交差する細道だ。
 この細道を東に進む松川の河岸段丘上であることが分かる。この道は、そのまま進むと栗本堰の円筒分水にたどりつく。
 西側には長老壇遺跡があって、そのまま進むと栗本堰の取り水口になる。栗本堰の取り水口を探った時には気がつかなかったのだが、このラインが、河岸段丘上の道の延長線だということだ。
 これは、栗本堰の元々の姿を思い描くヒントかもしれない。このラインが円筒分水を経由して大笹生側の流れというのが、栗本堰の原形ではないかと思えてくる。
 円筒分水は、確実に水量が調整できるという特色がある。わざわざそういう優れものの装置を組み込むのは、水争いを起こさせないという配慮だ。このことを逆に考えれば、根底に複雑な水利に関する地域意識を刺激しないという意識が働いていたのではないかとも思えるということだ。それが、下大笹生と大谷地を含む現在の笹谷とかかわった事なのだろうと勝手に想像する。

 もう一つは、ここが長老壇遺跡であるということだ。ここが松川近くの河岸段丘の一番高い地点であり、縄文遺跡の存在が、自然なことと思えてくる。
by shingen1948 | 2010-07-07 05:49 | ◎ 飯坂街道・古道 | Comments(0)