大笹生⑫~飯坂古道
2010年 07月 06日
漠然とした時間的な永遠性を基盤にし、それを具現化する巌だったり水だったりする。それに対する畏敬の念が根底にあるように感じる。
この大笹生の場合は、それが豊かな水の恵みなのではないかという感じがした。それで、西海道である飯坂古道から外れてその雰囲気のある所まで踏み込んでみたところだった。
ところが、これが古道から全く外れているということではなかったということが、最近分かった。この道筋は、古くは吾妻街道という会津街道の道筋に近いという事だ。この道は、大笹生の上之寺から分かれて、白和瀬神社の前を通って安養寺へ入り、そこから南下して松川を超えて、矢細工を経て土湯に出るコースとのことなのだ。
さて、佐藤氏が推定する飯坂古道は、大笹生上之寺前からやや新道(新笹谷―折戸線)と重なって進んだ後、分かれて左手に入る。
実際には、先に奥松川橋を経由して米沢街道まで概観してから、飯坂古道を確かめているが、整理はこちらを先にする。
西に、豊かな水系の象徴である山々とその裾を走る吾妻古道をして南進すると、豊かな水の象徴である八反田川と交わる。
大笹小学校の東側を経由して、白和瀬神社の方に向かう古道と交差する。
その角には、「甲子」の石碑が建っている。右面に、文久二壬戊年(1862)十二月建立講中13人。その左手に地蔵尊が。こういった風景も、古道を意識して歩くと、自然な風景に溶け込んで見えてくる。
その後、白和瀬神社から荒小屋を経由して笹谷へ続く古道と交差し、庭坂宿を目指して果樹園の中を南下していく。