福島の建築 ⑲
2010年 02月 14日
その雰囲気は、中心となる建物だけが醸し出すのではない。その他の建物も、道路も、そして、そこを通る人も含めた漠とした全体的な色や材質といつた視覚的なもの、においや風の動きなど肌で感じるもの、等々……が醸し出すもの。
この黒河内内科医院の建物は、通りの脇にあって、雰囲気を出すのに重要な役割を担っているように思える。
元々、自分がこの通りに持っていたイメージは、神明通りへ向かう時に通る裏通り。今メインになっている建物群は、そこにごく自然に存在していた風景。その中で、これは、ちょっとつきはなされて、覗いてみたくなる秘密めいたものを感じる建物だった。
自分にとっては、その雰囲気を感じたことが懐かしいこの建物は、昭和10年(1935)建設らしい。