「天地人の時代―ふくしまと直江兼続―」福島県の企画展
2009年 02月 16日
新潟・山形・そして福島の各地で、NHK大河ドラマの放送の人気にあやかる展示会が開かれている。
本当は、この「天地人の時代―ふくしまと直江兼続―」企画展の目玉展示は、歴史的には神指築城から直江状にいたる経緯だろうか。それを、自分の興味でだけ整理してしまったとも思う。
しかし、このブームの良さは、視点が権力者のメインの動きから、その家臣の心情等に移っていることであると思う。それは、人々の暮らしの背景が見えやすくなったことと思える。
確かに、この時代の描かれている福島県の中心は、会津であり、日本史的にみれば、関ヶ原の戦いの名目を与えたのは、神指築城等の上杉氏の動きであるかもしれない。
それでも、地元を散歩する者にとっては、王道を外して、長谷堂合戦と同じくらい、松川合戦を宣伝してもよいのではないかなとも勝手に思う。
旧地奪還を狙う伊達政宗と対峙する本庄氏、最上氏と対峙する直江氏といった背景を強調し、福島の本庄氏を売り出したら、でしゃばりすぎなのだろうか。
パンフレット等で、紹介されているのは、神指城出土の漆器だが、2部では、戦国末期の漆器として、福島城跡出土の伊達家紋入り漆器と上岡館跡出土陶磁器が展示されていた。
勝手に、旧地奪還をねらう伊達氏の精神的論拠と感じで、松川合戦の資料とも受け取れるなとも思う。
見逃したが、目録を確認すると慶長2年(1597)桑折町松原寺の蒲生秀行家奉行人連署裁許状も展示されていたらしい。
パンフレット等で見かけるのは、慶長10年(1604)の新田開作免許状だが、その他の各種新田開作免許状が展示される。
最近訪ている堰の開発や村の開発の一つ一つに、こういった力関係の書類が動いていくことは実感する。