『集古十種』古画・肖像四身』~直江兼続公肖像画
2009年 02月 14日
しかし、自分にとっての目玉は、散歩で出会った景色とのかかわりだ。
それともう一つ、目録によると『集古十種』古画・肖像四身』(竪帳)が身近な県立図書館所蔵ということだ。
これは、配布される新聞記事にある展覧会の主人公直江兼続公の肖像画だが、身近なところにある資料であるということも興味。
集古十種は、寛政12年(1800)に松平定信によって編纂された全85冊からなる博物図録集。
松平定信が、寛政4年に儒学者柴野栗山、国学者屋代弘賢、白河藩画家巨野泉祐、画僧白雲、画家谷文晁らに古書画・古物器を国内各地に調査させ、所在地、材料、法量、特色を記録し模写させて、その資料を木版に彫り刊行したとのこと。
集古十種に記載された資料は現在の考古学で使用される実測図形式がとられ、実物を正確に写されているという意味で、貴重らしい。
直江兼続の元絵は、兼続夫人お船の方が建立した高野山龍光院揄祇塔の壁画とのこと。その元絵は塔の焼失によって現存しないので、この「集古十種」という古書画、古器物を模写した木版本に掲載された図が貴重な資料という。
米沢市上杉博物館の「直江兼続」も、高野山龍光院揄祇塔の壁画が原画とのこと。米沢市上杉博物館特別展「直江兼続」のページにその肖像が載っている。
直江兼続の描かれた姿について、福島民報記事では、次のように紹介している。
衣冠束帯姿の直江兼続は笏を手に持ち、太刀をはいている。
額には深いしわが刻まれ、ひげを蓄え、戦乱の世を駆け抜けた晩年の穏やかな姿が見て取れる。
早世した嫡男景明は長小結の折烏帽子をかぶり、「三つ盛り亀甲に花菱」の直垂姿、右手に扇子を持つ、ふくよかな少年の面立ち。