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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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「小さな旅」で、大玉村が紹介されました

身近な話題は、NHKの「小さな旅」で、大玉村が紹介されたことである。
「安達太良山 萌える ~福島県 大玉村~」という番組だ。3名の村民をクローズアップして、安達太良山と人との関わりをテーマとしている。
  話題の中心は、景色も出演した方もよく見かける方であることであるが、この番組、自分の見落としている奥深い精神的なものを浮かび上がらせている。放送としては30分弱だが、じっくりと時間をとって撮影されたに違いない。

「小さな旅」のホームページに、三人の出演者が紹介されていた。
本多久夫さん(71)、ミチ子さん(65)
 夫婦一緒に山から採ってきたアケビのつるで、つるかごを作っている。
松井行雄さん(77)
 大玉村の不法投棄監視員。熊の生態を描いた紙芝居を作り、子供たちに見せている。
そのほか、子どもの頃からの山での暮らしなどを絵に書いて残している。
三瓶文男さん(75)
大玉村に代々続く農家の11代目。安達太良山や里山に植林し、家族の成長を願う。
今年も家族総出で田植えをする。

  この村を、探索の対象としている者としても教えられることが多かったのだが、よくばりな注文を付け加えさせてもらう。もう一作品、動物を中心とした自然との共生の奥深さを表現するものをつくってもらいたいなあと思う。

それは、今回の番組とのかかわりでいうと、松井さんは「熊うち」だが、描かれた絵にはクマへの愛情といったものが感じられることがある。
この村で過ごしていると、熊の出没のニュースには、自分の感覚と違うものがあることを感じるのだ。確かに注意を促すものではあるのだが、熊の出没を困ったこと、あるいは、怖いという感覚は薄いということだ。現代風に言えば、この村には、「熊との共生感覚」を中心とした自然との共生感覚が、基本思想として流れているということだ。

  この番組の丁寧に作り上げる力で、この思想の奥深さを炙り出してもらいたいなあと期待を込めて、勝手に思う。

もう一つ、知ったかぶりをさせてもらう。
 「安達太良山 萌える」が、番組名だが、語呂は悪いが、正確には、 「安達太良山系 萌える」だろうか。

  先に、「地味に振舞う和尚山」を書いたが、今回も番組の中に出てくる山は、和尚山でないかなと思っている。

 豊かに里を潤わせる保障された水を供給しているのも、この山であり、本山の安達太良山の荒々しさ食い止め、里に豊かさを送っているのは和尚山なのだ。

  江戸時代に書かれた谷文晃の「日本名山図会」では、安達太良山(吾田多良山)として描かれているのは、実は和尚山で、五百川あたりから描いたらしいといわれている。

 今回も、この山での活動が、安達太良山との名称で紹介されている。この山は、これからも話題になることは少ないだろう。目立たない山だが、里の豊かさを守る真の実力者の山だと思っている。
by shingen1948 | 2007-06-17 09:31 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)