馬場桜の保護活動
2007年 04月 14日
空気穴については、別に確保してあった。蓋がしてあって気づきにくいが、この蓋の下には塩ビ管が通って、十分に空気が根に届くようになっているとのことだ。
話の中で、樹勢の衰えの原因の話があった。樹木医が、根元の土を掘り返し、新たな土を入れるまで、相当の時間をかけたそうだ。その時に根が凍みてしまったのが、樹勢の衰えの原因の一つかもしれないとのことだ。
しかし、これは、回復を願う時には通らなければならない試練のようにも思える。
先の「馬場桜枯死を防ぐ方策のヒントを探す」ということで記事にした薄墨桜の場合も山高神代ザクラの場合も、まずは、根の状態の確認と、病気におかされた根の撤去又は、新たな根接ぎなどを施こすという荒療治を行っている。そして、その後土壌の入れかえをするということは、普通の作業のようなのだ。
そこで劇的に回復すれば、皆に賞賛の目で見ていただけるだろうが、馬場桜の場合はそうならずに、勢いが衰えてしまったということだと思うのだ。
大切なのは、地道に手をかけてあげ続けることだと思う。その点馬場桜は幸せだと思う。薄墨桜の日々の方策を再掲してみると、結果は出ていないが、きちんと世話されていることが分かる。
1. 希薄な肥料(燐酸・窒素・加里等を含むもの)を毎年施す。
2. 枝や葉の消毒を春秋の2回行う。
3. 周囲10m内外での耕作を禁止する。
4. 柵を厳重にして根接ぎを施した場所への立ち入りを禁止する。
5. 枯死枝や寄生木を取り除く。
6. 樹下や周辺の雑草を取り除く。
先日記事にしたカビのようなものを取り除き、枯死枝や寄生木を取り除いてあったことは、5の世話だ。ここには、保護活動をしている方の残念な思いも伝わる。それは、再生の期待を背負った細枝も切り落とされていたことだ。その枝は、二年間芽吹きを期待されていたのだった。残念なことが続くが、それでもきちんと世話をし続けていることが素晴らしいのだと思う。