「筆子その愛」を観て⑤~自立支援
2007年 03月 15日
今回は、弱い立場の人の自立について考えてみたい。
映画の中で、自立の姿として扱っていたのは、卒園して、寿司職人、大工職人、植木職人などに自立して育つ姿を描いていた。この当時は、そういった何かを作るという自立の道があっただろうなと思うが、文明が進んでしまった現代では、どんな自立になるのかちょっと想像できない。大きな課題ではないだろうか。
先日、スーパーに行ったら、「幸せの黄色いレシートキャンペーン」とやらをやっていた。
毎月11日に、レシートを黄色い色に変えて、投函箱に客が入れると、その1パーセントが、その団体に贈呈されるというしくみにしてあるとのことだ。どうも自立支援のようだ。自立支援を受けているとしている思われる団体の人たちが、ビラをくばり、説明していた。
ただ寄贈するのではなく、ビラを配り、呼び込むという仕事を通して、寄贈するという仕組みにしているようだ。企業としては、いろいろの目算はあるだろうが、好意的に形を変えた現代風の自立支援とみたい。
そうみると、できるだけここで買い物してあげようかという気分になる。恐らくこの感覚が、結い形成の基礎になるのではないかなと感じる。結城先生の話の中に、村の中にスーパーが進出して安く物を売るようになっても、村の協働の店で高いビールを買う優雅なばあちゃんの話が出てきた。その店の利益が村の公共の事業に還元されるということを大切にするばあちゃんの感覚だ。その感覚が実感できる。
ちなみに受け取ったビラには、「あなたのレシートがこの街の笑顔に変わります」と書いてあった。
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