5年前のニ本松近郊の治水工事の考え方は継続していました
2007年 03月 01日
2007.3.1「福島民報」は、新年度の県の予算に関連して、次年度も「輪中堤」導入の考え方を導入した洪水対策をすることを伝えていた。この中で、上記の平成14年度の二本松市と伊達市での導入について触れていた。考え方が継続していることに安心すると共に、同じ歩調でなければ、しわ寄せが来る考え方でもあるので、理解が得られたところから具体的な作業に入るという言い回しが、気になるところではあった。
5年前のニ本松近郊の治水工事の考え方と題して
最近、ニ本松駅近郊で治水工事が行われているが、詳しく観察していない。また、どんな考え方を取り入れたかも分からない。共存の考え方が、どこまで取り入れられたかに多少興味があるだけだ。
平成14年に福島民報は、阿武隈川の治水工事について国土交通省福島工事事務所の治水事業の興味深い考え方を提示しているからだ。その範囲は、二本松市、安達町にまたがる国の想定氾濫地域内が対象になり、整備検討委員会が立ち上がり、二本松市で話し合われているはずだからである。
ここで取り入れられた考え方は、連続堤防を止めて、輪中堤・宅地嵩上げを導入して、大水の時、河川周辺の土地に流れ込み、一時的にプールさせることによって下流域での水の勢いを弱めるという構想であった。旧安達町の関係者は、本来的には連続堤防を造って田畑を守ってほしいとの想いを持ちながら、福島工事事務所の住民と議論を交わして合意形成にこぎつけ、新しいタイプの治水対策を成功させたいという意向と向き合ったはずであり、ここに、二本松関係者もいて、三者合意のもと、工事されたはずであるのだ。
伝統の方式は、共存である。これが、部分であれば、良心的に妥協した公的意識の高い人々は多大な損害が及ぶ。連続堤防の考え方の工事が中心で、妥協した所だけ上記の工法を取り入れれば、総ての水の勢いを引き受けることになる。多くが、上記の考え方の工法を取り入れれば、水の勢いは分散され、互いに許せる範囲の被害を共存することになる。
年月は経ったが、近郊であり、同じテーブルについていた二本松市が、どういう工事を提案したかは、興味あるところである。
荒川流域の「かすみ堤防」の考え方は、この被害を共存する考え方の象徴的な工法であると改めて思っている。荒川沿いの野球場が、大水の度に流され、また整備しなおすという状況も、よく考えないで観察していると、もったいないということになる。流水の勢いを抑える働きが理解できて、真に受け入れられる考えである。
駅前という状況の中で、この考えを導入できたとすれば、すばらしい治水意識ということになると思う。
「熊との共存」と同様に「河との共存」が大切で、これが「親水と治水」の精神の本来との想いはあるが、現実はどうかという意味での興味である。完成したらじっくり観察したい。