民間規範意識再生会議を
2006年 12月 08日
流行らない意見にもおもしろいものが結構ある。朝日新聞「あんてな」というコラム欄に、「規範意識まずは大人社会に」として、以下の意見が載っていた。
社会のきまりを守り、支え合う心を育てようと学校は膨大な時間を注いでいる。道徳の時間だけで、小中合わせて9年間で310時間を注いでいる。各教科や特別活動も道徳の要素を含ませている。
しかし、これらは学校どまりで、社会に役に立つ力として認知されていない点を指摘している。
社会では、失敗が許されず、効率優先の中で、多重債務問題を初めリストラ過労自殺パワーハラスメント等々いつ負け組になるか不安の中で生きている。
また、これらの問題が起きる前、朝日新聞2002.9.15「教育と研修」の中で、教員の片岡万喜雄氏は、企業研修で視野を広め深めることができたと成果を述べた後、次のようにも述べていた。
一流企業の管理職の方々と話しをした。示唆に富む貴重な話しで有意義だったが、気になることもあった。
企業の中では、依然として学歴を重視する見方が残っているなと感じた。また、学力低下などの教育論議も出たが、マスコミが情報源のようで、正確な情報や具体的な理解が不足しているように思われた。
企業人が今更学校現場で研修して学ぶべきことなどないというのなら、企業の方がよほど視野が狭い。
子どもの正直さ、男女共働の進んだ職場、個性を尊重しながら学級組織を経営する手腕、多面的な人間理解など、学校にも見るべき点は多い。思い通りにいかない生身の人間相手の現場を体験するだけでも価値がある。
流行教育の最先端をいく方は、、「民間活力」一点張りの理念で始まった議論がそのまま進む中に飛び込むことに、危惧しなかったのか。今も直接教育に携わる方は、今、改善しなければならないことは、何なのかを熟慮して見極めた結果だとは思うのだが……。
どうしても疑念を感じてしまうのは、やはり教育に素人の者のせいなのだろうとは思う。