撮り溜めた写真から⑰~医王寺薬師堂③
2017年 06月 26日
これが気になるところだが、「7日本の民族『福島』(岩崎敏夫)【第一法規】」の「8民族知識」の「3呪(まじな)い」の項に、いろいろな呪いの例が列記される。その本文には記述されないのだが、たくさんの石が吊り下げられている写真があって、その解説に「耳石 薬師様に耳の悪い人があげる(伊達郡保原町)」とある。
伊達郡保原町は現伊達市保原町で、近くの町村だ。この事とかかわるのだろうと想像する。
ネットで「『耳石』とは」と検索すると、「ブリタニカ国際大百科事典小項目事典」の次のような解説に出会う。
平衡石,聴石ともいう。
無脊椎動物の平衡器官である平衡胞内にある小さい粒。耳石は体の傾きに応じて重力の方向に移動し、感覚細胞の感覚毛を圧迫し、その圧迫の変化によって体の傾きを感じるようになっている。この粒は胞壁の細胞から分泌されたもので1~数個あり、炭酸カルシウム、フッ化カルシウムなどから成る。クルマエビ類では砂粒その他外界の異物を取入れて耳石とする習性があり,脱皮ごとに取替えられる。脊椎動物の平衡器官の前庭内のものは、小さく、聴砂という。
魚の「耳石」は誰でも見ることができるようなので、更に、ネットで「耳石とは 魚」と検索すると「耳石」についてのいろいろな知見が得られる。
また、「薬師・耳石」で検索してみると、全国的に行われている呪いであることが分かる。
先に整理した仁井町薬師瑠璃光如来(笹谷)と上戸内薬師如来(大笹生)も、第七願 除病安楽の中の耳病平癒にまで特化していたが、それらもこのこととかかわるのかもしれないとも思う。しかし、こちらには、この「耳石」の呪いの風習はなさそうではある。
この医王寺薬師堂もこの呪いを許容はしているようだが、薬師堂の案内板などを確認すると、決してこの耳石に特化しているということではなさそうだ。