福島の鉱山35~信夫地方の鉱山⑧~高子付近の鉱山と高子二十境
2016年 07月 30日
その地域の中でも鉱山にかかわり深いのは高子地域らしいのだが、その事は整理していく中で知ったことだ。
その高子地域付近の鉱山についての資料も、これ以上は見つかりそうもない。そう思って「高子二十境」にかかわる情報をその脇見として眺めていたところだった。
散歩人としては「高子二十境」それ自体に興味はないのだが、一応は確認しておかなくてはならない厄介なものなのだ。
今回かかわるのは「帰雲窟」だ。
「高子鉱山」や「富保鉱山」・「上保原鉱山」の位置確認とのかかわりで、羽山の西方に「帰雲窟」という地名がある。その情報の処理だ。
この地名は「高子二十境」の「帰雲窟」から命名されたのだとは思う。ただ、この地名の位置が「高子二十境」で示される「帰雲窟」の位置ではないということだ。
「高子七境の確定とネーミングの手法」のページの情報によると、その元々の位置は高子山の西側に示されていた。それで、高子山の「高子二十境」についての情報を眺めていたのだ。
「高子二十境」のうちの七境は高子山にあり、その確定とネーミング手法がこのページの趣旨のようだ。
その「高子七境」を確認すると、「丹露盤」・「玉兎巌」・「長嘯嶺」・「龍脊巌」・「採芝崖」・「帰雲窟」・「将帰坂」とのことだ。
「丹露盤」が山頂で、そこに案内板が建つことについては、先に整理している。こちらに誤りはないようだが、「高子20境「龍背巌」と首塚」として整理した「龍脊巌」の方は誤りのようだ。
この地名も本来の位置ではないということのようだ。案内板は建っているのだが、それは間違った案内だということのようだ。
http://kazenoshin.exblog.jp/9390709/
この七境にかかわるネーミング手法を確認すると、玉兎巖・丹露盤・将帰阪・長嘯嶺は、中国の古典に材をとって美称化したものとのことだ。正直に言えば、散歩人は風景を楽しむほどの素養を持ち合わせていない。今のところ「丹露盤」は山頂からの風景を楽しむという以外はパスするしかない。
それに対して、「採芝崖」と「龍脊巖」、そして「帰雲窟」は、その場所の風景や雰囲気を反映させる(美称化する)方法を取っているというのだ。比喩されたものについてはパスするしかないが、現地の風景を楽しめる可能性はあるということだ。
それで、その情報を眺めていたのだが、「帰雲窟」は、「金鉱山の坑口(岩穴)から立ち上る雲をイメージしている」というのが出てきたのだ。
金山かかかわりなら、これにふれておく必要があると思ったのだ。
「『高子二十境』めぐりお薦めコース」のページには、「帰雲窟(金山の抗口)」という写真が掲載される。ただ、地図で確かめると現地は現在採掘場になっているように見える。
http://datenokaori.web.fc2.com/sub14.html
なお、「採芝崖」は、霊芝(きのこ)を採るイメージを重ねた崖ということのようで、「龍脊巖」は、龍の背びれのイメージを重ねた巌ということのようだ。