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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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福島の鉱山30~信夫地方の鉱山③~富保金山推定位置の修正

 先に岡島字瀬戸沢の位置情報が見つけられずに、山口村の瀬戸沢を富保金山位置と推定しまったのだが、しっくりいかない所があったので確認をしていて次のような位置情報を得た。
 「福島県富保金山産蛍石及び数種の硫化亜鉛鉱の産状(渡邉満次郎)」に、その位置が「富保金鉱床は福島県信夫郡岡山村及び同鎌田村と伊達郡上保原村及び同富成村との界に存す」とあったのだ。

 富保金山所在地を情報通り、岡島村中心に推定することにする。その上で、保原との境界線近くの岡山村の信夫郡鎌田村との境界付近を確認して図示する。
福島の鉱山30~信夫地方の鉱山③~富保金山推定位置の修正_a0087378_9224679.png 鎌田村境界付近の小字を「福島の小字」を活用して確かめ、地図上の地名と見比べて図示する。「菖蒲田」→「天神平」→「天神平山」→「大戌ケ山」と紫の文字で示したのがそれだ。
 「大戌ケ山」と示した付近は、現在の地図表記では「中森山」と表記されるようなので、それを緑文字で示した。

 岡山村の保原との境界線近くの小字名も紫の文字で示した。「鬼返り」→「問答山」がそれだ。

 現伊達市側だが、この辺りの伊達郡上保原村及び同富成村との界は「現保原町上保原」と「保原町高成田」との界辺りだと思われる。そこを道筋が通るので、ここがおおよその村界と推定した。

 「福島県富保金山産蛍石及び数種の硫化亜鉛鉱の産状(渡邉満次郎)」の本文には、「岡山坑の北方延長線上に近き福島脳病院前等には玄武岩の烈しく分解して、白色粘土状に変化せる部分に多量の黄鉄鉱を有するものあり、(以下略)」とある。病院の種類は分からないが、「福島松ケ丘病院」をそれと想定してみると、病院の南方が「岡山坑」の位置ということになる。
 また、本文中の資料として「山神坑」と「岡山坑」が図示されているのだが、その図を頭に入れて、昭和50年の航空写真を眺めると、月の輪台団地の国道を挟んだ向かい側の高まりに人工的な作業跡が見えるのだが、これが「山神坑口」とかかわるのではないかと勝手に想像する。その高まりの東側に断層線らしき地形の特徴も見えるような気がする。
 そこから、東に池のある方向に「山神坑」が延びていると推定し、それとクロスして南北に「岡山坑」が延びていると推定すると、先の病院との位置関係も矛盾ない。
 また、航空写真では、その池の北西側に人工的な作業跡らしきものが見える気がするが、どうだろうか。
by shingen1948 | 2016-07-22 09:25 | 福島の鉱山 | Comments(0)