地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン

生の声をお聞きする体験を重ねたこと

 前回までの整理で、客観的な被害情報は確認できても、生の声が伴った情報に接するのはなかなか難しいと感じた。戦争体験者に接することはあるが、話を聞き出すことは難しい。
 今回の企画展では、「語りつぐ『戦争の記憶』」という、体験者の生の声をお聞きすることができる企画もあった。
 そのテーマは、「学徒動員」、「福島に投下された模擬爆弾」、「日本で初めて空襲があった日福島に投下された模擬」、「爆弾女学生の勤労動員」、「少国民の役割」とのことだった。
 体験者だからこそ伝わる重みを十分に味わわせていただいた。

 体験者談に接する体験の重みについての感想は、前回整理の講演会に出かけて小学生で伝令係だった方の話が聞けた時に整理したことと変わらないので、ここに再掲し、今回の整理を締めくくる。
 それは、聞いている方の中に、当時、小学生で伝令係だったという方がいらっしゃって、その方のお話がお話するのを聞けた事。その方の話から、地域の方が感じたであろう着弾した時の緊迫感のようなものが伝わった。直接の被害に遭われたということではなくても、その証言は貴重なのだとあらためて思う。
 まず、空襲警報があったようだ。その方は、学校近くまで行っていたので学校に急いだが、家に近い場合は家に戻るという約束があったとか。
 学校では、2階にラジオが一つ置いてあって、それを聞いた女の先生の指示に従って、伝令係が皆を防空壕に入るように指示を伝えるというという事になっていたという。
 ところが、なかなかいう事を聞いてくれなかった。
 次に、炸裂音なのか爆風なのかはわからないのだが、機銃掃射の射撃のような音を聞く。これで、自分が肝を冷やして、振り返った時には、全ての小学生が防空壕に入っていたとのことだ。
 これが、5t爆弾の着弾音なのか、着弾で破裂した赤く焼けた鉄片が飛び散る音なのかは分からないが、その緊迫感は充分に伝わった。
「北に200mほど離れた学校のガラスも全部吹っ飛んだ」という情報にも重なる。

 また、この話からは、前に整理した平一小に着弾した時と同じような状況が、渡利小学校でもあったという事が分かる。こちらの証言は多く集められているので、その情報と重ねると緊迫感の確からしさのようなものが増すという効果もあった。

 更に、この話と渡利の2件の火災、数件の崩壊という物件被害情報を重ねれば、その火災や崩壊の前にその緊迫感が加わっていただろう事が想像できるようになる。
 約3反歩の大穴、或いは約90m沼になってしまうほどの穴ができるほどの5tの超大型爆弾の着弾音や地響きがあったはず。そして、無数の赤い炎を上げながら飛び散る鉄の塊が飛び散る機銃掃射の射撃のような音があって、更にその幾つかが自らの家の屋根に突き刺さり火災、或いは崩壊という事事になったはず。
 これらは、その被害に遭われた方でなければ主観的な情報としては伝わらない。そういった物的な被害に遭われた方の生の声は、まだ聞いた事がない。

 記者が話を聞いて整理した記事でも、そこから腹部をえぐられた弟の姿をみた姉の衝撃は、こちらの想像を超えるものではあろうが伝わる。渡利の生の声が伴った情報が欲しいものだなと思う。

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by shingen1948 | 2015-11-18 08:37 | ◎ 福島と戦争 | Comments(0)