「フクシマ」と福島とのかかわり
2014年 02月 05日
玄侑宗久氏は、【福島民報(2013/10/6)】の日曜論壇で、「オリンピックと原発」の中で、オリンピック開催にかかわって、「二百五十キロも離れている」福島県民としての複雑な心境について二つの言及していた。
http://www.genyusokyu.com/essay05/text06/rondan54.html
その一つが、オリンピックのインフラ整備に必要な大量の作業員と、原発にかかわる作業除染、防潮堤建設にかかわる作業員の確保と競合しないかということ。
そして、もう一つがオリンピック開催のための電力供給というプレッシャーがかかることになったことだった。 東京都は、これまで使用電力の約25%を福島第1、第2原発に依存してきているわけで、その供給源を失うまいとする暗黙のプレッシャーがかかるのではないかという危惧だった。
これを読んだ時点では、最初の指摘について納得の行く指摘だと思っていたのだが、今年に入って、二つ目の指摘の鋭さを感じるようになった。
この二つ目のこととかかわるニュースが、現在も流れている。ただ、氏は、あくまでも福島県内の二つの原発の廃炉を願う立場からの主張だったが、タイミングとしては、柏崎刈羽原発再稼にかかわる新潟県知事への脅しのプレッシャーになっているようだ。
東京都知事選が「脱原発」もテーマとなるや、東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会の会長に就任することで張り切った元首相の森氏が、「6年先の五輪のためにはもっと電気が必要だ。今から(原発)ゼロなら、五輪を返上するしかなくなる。世界に対して迷惑をかける」と息巻いたらしいニュースが流れた。
「『原発即ゼロ』なら五輪返上しかない…森元首相【読売新聞(2014/1/18】」
http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/politics/20140118-OYT1T00775.htm?from=popin
2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会の会長に就任する森元首相は、18日のテレビ東京の番組で、小泉元首相が訴えている「原発即時ゼロ」について、「6年先の五輪のためにはもっと電気が必要だ。今から(原発)ゼロなら、五輪を返上するしかなくなる。世界に対して迷惑をかける」と批判した。
福島の地でこのニュースを聞いていると、おこぼれ頂戴の過去の反省が必要なのだとも思えてくる。