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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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信夫の里の狐達⑨~加茂左衛門稲荷大明神の御利益

 先に「加茂左エ門稲荷之記」を整理した時に、その御利益の部分を省略した。歴史的な事を追う散歩整理としては、確からしさという観点からその方がいいのかなと思ったからだ。ところが、【みちのく古代<蝦夷の世界>】に気になる表現をみつけた。
 それは、東北の蝦夷社会を、内部対立も激しく相互の武力対立も稀ではない部族性社会の特徴をイメージしていることとかかわってのことだ。東北の蝦夷社会をイメージすれば、この時代の動向を伝えるものとして、他の集落に夜襲をかけることを主な内容とする伝承や英雄叙事詩が伝承されることとかかわるらしいのだ。
信夫の里の狐達⑨~加茂左衛門稲荷大明神の御利益_a0087378_702566.jpg 
 かかわるかどうかは分からないが、「歴史地図」で気になっていることもある。石ケ森の前の道筋が御刈屋遺跡への道筋だと示すメモがあることと、その道筋の左手に「伝説夜盗舘」がプロットされる事だ。
 プロットされる辺りは、現在はこんな感じだが、伝説自体は今のところ確認できていない。
 「伝説夜盗舘」の「夜盗」が「他の集落に夜襲をかけること」とかかわりそうな気がするが、今のところその伝説自体が分からない。

 ここで気になってきたのが、加茂左衛門稲荷大明神の霊験あらたかな御利益のうちの盗賊の話。 「福島散歩」では以下のように紹介される。
 
桑折町の大きな商人に藤倉という人があった。ある時、商用で京に上り、商品を仕入れての帰り道、日も暮れたこの石ケ森にさしかかると、にわかに強盗の群れがあらわれ、一行を取り囲んで商品や有り金を残らず奪って逃げようとした。この時、加茂左衛門はたちまち大入道に化けてこの盗賊の群れを追い払い、その金品を藤倉一行に取り戻してやったという事である。(中略)これは、事実として伝えられる話である。
 これが、「加茂左エ門稲荷之記」の以下の部分と重なるのだろうと思う。
 凶悪なる怪盗一味のため所持の財宝を略奪された傷心の桑折巨商を助けた話もその篤信に報いた加護であったこうした奇瑞霊感著しく遠近郷民の崇敬は日に加わり、その信仰を日に篤くし今に伝えられている。
 散歩人としては、忠実に整理しておくことも大切な事かなということで整理しておく。
 それなら「チャシ?」の必要条件として関わるのかなと思ったりもするが、それは分からない。
by shingen1948 | 2013-02-11 07:02 | ◎ 地域散策と心の故郷 | Comments(0)