阿津賀志山防塁第11次発掘調査現地説明会(高橋地区)⑤
2012年 10月 08日
ここは、西側に流れる滑川( なめりかわ) に外堀の機能を持たせ、堀1本の構造との推定は、既知の事とされる。だから、説明会資料でも、この現存防塁部分の調査を成果としては説明されていない。
しかし、既知とされている事が更に確認されるということに接するのは嫌いでない。そこから、その地道な作業に接する方のこだわりとか姿勢とかというものを感じるということもある。それだけでなく、専門とされる方にとっては常識である事ということで、説明されないが、当方が知らなかった事に接するチャンスでもある。更に、誰もがその当たり前とされている事が当方は知らないということもあって、これがカバーされるというともある。
これが、阿津賀志山防塁現存部分の東側の土塁が残る状況とその土塁の様子を確かめるためのトレンチと思われる第1トレンチの東端の部分。
このトレンチ東端では、東側の土塁の外側の状況が、現況の土塁外側の状況と同じである事を示していることから、ここから東側に土塁や堀の痕跡はないということが確認されたものだと思う。ブルーシートが見えるのは、説明会には登場しない発掘された現場だと想像する。
こちらが、現況の西側の土塁と堀と第1トレンチの様子。
堀の位置と土塁との確認のようで、その堀の様子は調査済みで既知としたのか、良好でなかったのでそこまでにしたのかは分からない。
これで、ここは現存する堀1本、土塁2本の現存する阿津賀志山防塁に、この防塁の西側を流れる滑川に外堀の機能を持たせた構造との推定になるらしい。これが、現存する西の外側防塁。
これが、更にその土塁の西側を流れる滑川( なめりかわ)。
今回の調査は、これ等を既知とした上で、良好に土塁が残る国の史跡指定地以外で防塁の位置を確認して、そこから、堀跡一本と、土塁の痕跡が確認できたという事がメインのようで、成果として記されるのは、第3.4トレンチでの成果という事のようだ。