大河ドラマ「平清盛」視聴~ 第38話「平家にあらずんば人にあらず」②
2012年 10月 06日
「古代会津の歴史(山口弥一郎著:講談社)」の「高倉宮以仁王流転の伝説」に、後白河天皇の第7皇子「高倉天皇」と混同しないようにという注意書きが、詳しく書かれているのだが、ここが複雑でよく読みとれていなかったが、現在進行形中のドラマの人物設定を確認すると、注意書きに納得がいく。現在進行中の人間関係図をお借りして、兄の二条天皇ーその子六条天皇の流れを書き加る。ここに会津の主人公「以仁王」を書き加える。現在のドラマは、六条天皇から譲位された後白河天皇の第7皇子「高倉天皇」と徳子の婚姻の話で、時々八条院と以仁王を見かけるという進行状況だが、ちょっと以仁王に同情する気持ちも起きてくる。
なお、本書では、この伝説は史実ではないことを明らかにしたうえで、どのように誕生し、それがどう普及して、伝説として固定して行ったかという「文化伝承の民俗学的研究の資料」としたいという趣旨で論じられているものだ。
この回の話を確認する中で、地域を散歩することとかかわる情報をもう一つ見つけた。
佐藤氏とのかかわりで気になる西行と福原の清盛がかかわる話。西行法師が、後日福原遷都で都が寂れるのを憂える話ではなく、「山家集」に和田浜の千僧供養のとき万灯会が行われたのを詠んでいるとの情報だ。
これが、ドラマの建春門院初めての福原行啓である承安元年(1171)の翌年である承安2年(1172)の話で、清盛か時忠に招かれたらしいとか。
「山家集」巻中:雑862 を確かめる。
「詞書」 六波羅太政入道、持経者千人あつめて津国わたと申す所にて供養侍りけり、やかてそのついてに万灯会しけり、よふくるままに、ともし火のきえけるを、おのおのともしつきけるを見て※ 万灯会(大辞林)
き(消)えぬへき のり(法)のひかり(光)の ともしひ(灯火)を かかくるわた(和田)の とまり(泊)なりけり
懺悔・報恩のために、多くの灯明をともして供養する行事。奈良時代から行われ、東大寺・高野山のものが有名。万灯供養。
ついでに、視聴率の話。
この第38話は、先週の第37話の10.5%から一気に14.3%に跳ね上がったとの事。この急上昇の要因を台風の影響というのがもっぱらのテレビ時評らしい。しかし、ずっと観ている者にとっては、第37話「殿下乗合事件」も結構見応えがあったように思っている。いっぺんに影響があるということではなく、少しは影響があるのではないのかなと思うが、一つの因果説で語るのが、今のはやりかな。
題は忘れたが、日宋貿易にかわる放送<NHK広島>視聴も、大河ドラマ放映に伴う情報として楽しんだこととして付け加える。