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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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大河ドラマ「平清盛」視聴~ 第35話「わが都、福原」①

 この回の興味深い事の一つは、清盛は、仁安4年(1169年)春、六波羅の邸宅を嫡男の平重盛に譲り、摂津国福原に山荘を作って隠棲したことで、もう一つが、清盛の弟である家盛やその弟の頼盛のことだろうか。
 まずは、清盛が、摂津国福原に山荘を作って隠棲したことについての確認だが、「坂の上のサイドボード」では、以下のように整理されている。
 出家して入道相国(入道は出家した人、相国は太政大臣)と呼ばれるようになった平清盛は、仁安4年(1169年)春、六波羅の邸宅を嫡男の平重盛に譲り、摂津国福原に山荘を作って隠棲した。これ以後、日常の政権運営は京にいる一門にゆだね、清盛自身は必要に応じて上洛し、政局を収拾すると福原に戻るといった政治スタイルを貫くことになる。 
 これは鳥羽院政時代、藤原忠実が宇治に別荘を構えて隠居したことにならったといわれており、中央政界から距離をおくことで、かえって自身の存在感を高めようとする人心掌握の策だったとも考えられている。

 「平家物語」巻7「福原落」の本文に福原の中心を描写するところがある。
 この「福原落」は、1183年8月に北陸の戦で敗れた平家が、木曾義仲に追われ都落ちする途中の話だ。その要点を「ビギナーズ・クラシックス日本の古典」で確認すると、以下のような時。
 平家一門は、かつて遷都した福原に一泊し、宗盛を中心に運命を共にする覚悟を互いに確かめ合った。
翌朝、福原の御所に火をかけてから、海路、西へと向かった。そして、再び都に帰る事はなかった。
 ここの本文に、福原を描写する部分があるのだが、これを「日本古典文学大系」の「平家物語」で確認する。
 「故入道相国の作りをき給ひし所々を見給ふに、春は花みの岡の御所、秋は月見の濱の御所、泉殿・松陰殿・馬場殿・二階の桟敷殿・雪見の御所・萱の御所、人々の館共、五条大納言邦綱卿の承はつて造進せられし里内裏、鴦の瓦・玉の石畳、……」これが荒れ果てているという描写だ。

 清盛が後半生をかけた都市「福原」に、清盛の邸宅を中心に、平家一門をはじめとする多くの邸宅が軒を並べていたことが想像できる。平家一門の福原の中心は「湊川の上流、現在の平野から荒田町へかけての高台と、氷室町から夢野あたりの山裾の緩斜面にあった」と「兵庫県史」にはあるらしい。
 
 散歩を楽しんでいるうちに、抽象的な描写では満足できなくなって、具体的なイメージが浮かばないと気分的に納得できなくなってきている。それが、位置情報を得ただけで、何となく想像が膨らんだような気分に。
 「山槐記」からは、この「福原」についての更なる具体的な位置情報が得られるとか。

 ※ 大河ドラマの要点は、ずっと「エキサイトドラマ特集『大河ドラマ平清盛』」からお借りしていたところだった。ところが、前話(第33話)「白河院の伝言」の要点をしようとしたら更新されていなかった。それで、取りあえず公式ホームページから、その要点を整理しておいた。
 今話の要点を確認したら、前話も更新されていた。それで、前話(第33話)の「白河院の伝言」を整理したページに以下のその要点を加えて修正するが、公式ホームページから要点を整理したものもそのままにしておくことにした。
 白河院の伝言 
 1168年、 突然熱病におかされ意識を失い、病床に伏した平清盛(松山ケンイチ)。薬師(くすし)の診断で原因は寸白(すばく・寄生虫)と判明したものの、手元の薬では治せず、祈るよりほかに手だてはない。万一の事態も覚悟し、今は落ち着いてなすべきことをせよと、時子(深田恭子)は一門に命じる。
清盛危篤の知らせは、たちまち都のみならず、后の滋子(成海璃子)とともに熊野詣でに向かう途上の後白河上皇(松田翔太)や、果ては源頼朝(岡田将生)の暮らす伊豆にまで届く。そして平家一門のみならず、朝廷や貴族、諸国の武士など多くの人々の心に波紋を呼ぶ。後白河上皇の一行は、この一大事に御所を空けていては危ういと判断し、京へとってかえすが、その途上で大雨に見舞われ、足止めを食らう。
 清盛が回復するまで一時的に長男・重盛(窪田正孝)が平家を率いることになった。しかし時子の弟・時忠(森田剛)は三男・宗盛(石黒英雄)に、清盛が亡くなった場合は棟梁になれとけしかける。重盛と違い宗盛は正室である時子の子だからだった。鉄壁に見えた平家一門にかすかな亀裂の兆しが見え始めていた…。

by shingen1948 | 2012-09-15 05:20 | ☆ 映画話題と視聴記録 | Comments(0)