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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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揺すり出された風景⑧~今からおもえば60

 昨日整理した「湧水公園」の3年前のイベント情報をネットでみつけた。
 20年6月22日に、地元協議会による松川湧水公園のお披露目式が開催されたようだ。
主催は、「湧水ふれあいの会北沢又(松川湧水公園維持管理協議会)」とのことだが、連絡先等から、その会は清水支所に事務局を置き、実質的に国土交通省東北地方整備局福島河川国道事務所松川砂防出張所との共催イベントらしいことが想像できる。
揺すり出された風景⑧~今からおもえば60_a0087378_6134690.jpg
 清水公民館の旧地域紹介地図で、先の散策地点を確認しておく。
 「揺すり出された風景⑥~今からおもえば58」の「番匠田湧水」は、「万世大路」から「台」の地点を通り「阿保原地蔵」に向かう道筋と、病院脇を走る現栗本堰の水路の脇道とが交わる地点の南東の付近と見当をつけた。
 「成出湧水地」の目印になる「地蔵堂」は、現「愛宕様」の位置と推測する。そこから「万世大路」を横切り、「台」の地点から「阿保原地蔵」に向かう道筋と「万世大路」との交点の南西の付近と見当をつけた。

 「八計湧水地」の位置だが、「矢野目堰」より北側で、旧道の南側という位置関係を頭に置いて、「八計」の地名を参考に探したが、ここもまだ湧水は見つけられないでいる。
揺すり出された風景⑧~今からおもえば60_a0087378_61552100.jpg
 ただ、「八計」の地名を確認したことで、「ニ郡村誌」の記述の南沢又に接する崖が見えやすくなった。この崖とこの湧水は、地形的にかかわっているように思っているが、実際の観察で見つけられなかった。


揺すり出された風景⑧~今からおもえば60_a0087378_6184481.jpg
 今回、もう一度その崖に沿って確認していったら、この南沢又との境界となるこの崖も崩れていた。

「八計」の地名を確認したことで、もう一つ見えてきたことがある。それは、「ニ郡村誌」の記述との照らし合わせで、北沢又元標の位置がおぼろげながら見えたような気になっている事だ。

 ※ 福島県は、全県民被ばく調査を行うという報道を目にした。その目的は、健康管理とデータを放射線医療に役立てるとのことだ。
 地域時期毎の線量に照合して個人の線量を予測し、数値や健康への評価は本人に伝えるという。線量が高い県民には血液や尿内部被ばくの詳細検査を継続的に実施するとか。
 このことにかかわって、散歩人のような素人には分かり難い専門家の態度がある。

 指導を受ける立場に立つと、この座長兼県放射線健康リスク管理アドバイザー氏は、アドバイザーとての発言と座長としての発言に矛盾があるように感じるのだ。

 このアドバイザーの立場で、氏はずっと普通に生活していて全く問題ないとしていたはず。
 以下は、福島市政だより(4月号)で広報された二人の県放射線健康リスク管理アドバイザー山下俊一氏・村昇氏監修によるQ&Aだ。
 質問は、「地域の環境放射線が一時間当たり数マイクロシーベルトとなっている。数週間、数カ月この環境に住み続けることで、蓄積したら数ミリシーベルトを超えることもあると思われるが大丈夫か?」というものだ。
 この回答を、手を加えずにそのまま抜粋する。
 報道されている値はあくまでも屋外での空間線量です。
 それが屋内では一般的には5~10分の1くらいに減りますので、実際の被ばく線量は少なくなります。もちろん、蓄積されてどうなるか、を心配されるのはごもっともですが、現在の状況が継続すれば、健康リスクが出ると言われる100ミリシーベルトまで累積される可能性は、ありません。そして、同じ100という線量でも、1回で100受けるのと、1を100回に分けて受けるのとでは影響が全く違います。少しずつならリスクは、はるかに少ないのです。
 ※1…1ミリシーベルトは、1千マイクロシーベルト

 このことと、全県民被ばく調査を行うという事に矛盾を感じるのだ。
 100ミリシーベルトにならなければ健康リスクが出ないのなら、100ミリシーベルト/年の被ばくが想定される一部調査で済むはずだと思うのだ。

 噂では、国際放射線防護委員会(ICRP)などは低線量から発ガンは比例して増えるという考え方だと聞く。この考え方が一般的とも聞く。
 その考え方を前提に、もっと発ガンが増えるという厳しい考え方と逆に閾値あるという楽観論があると聞く。そこが不明というのなら、素人でも全県民被ばく調査の意味が分かる。
 しかし、我々福島県民は、がん発生のリスクは100ミリシーベルト以上と指導されてきた。NHK福島等の報道も、先の指導者もそう指導し続けた。それが、突然全県民被ばく調査と言いだしたという状況だ。
 素人には、これをどう把握していいのか分かりにくい。

 座長という考えでは、恐らく「年間20ミリシーベルトを限度に、だらだらと連続的に浴び続けた場合」という限定での研究なのだろうと想像する。その研究対象を全県民ということで、精度の高い学問研究にしようという意気込みなのだろう。
 この記事は、福島県民が学術研究モルモットになったことを意味していると思う。
 県という地域の単位であっても、専門家という立場になると、微妙に視点をずらしながら上手に次の段階に進めるという姿勢は変わらないらしいことが分かる。
by shingen1948 | 2011-05-30 06:35 | ◎ 水 | Comments(0)