古き時代の底力③~今からおもえば47
2011年 05月 16日
簡易水道組合、井戸水、ジーゼル車、磐越西線など時代の要請で消えたり、後ろにおいやられていったもの達だ。本当に緊急事態になった時には、これ等の時代遅れのもの達が、実に頼りがいのある底力を発揮してくれるという事が分かった。
この流れで、時代遅れで頼もしかったものを、もう一つ整理しておきたい。それは、電話だ。
地震で止まったのは、電気、ガス、水道だが、実際には、このことによってプッシュ式の新しい家庭用固定電話もストップした。
今回の震災で、プッシュ式の固定電話は、電気が通じないと使用できないことをはじめて意識した。そういえば、確かにコンセントがつながっている。震災では、携帯電話もつながらない。電気が喪失したら、電話という連絡手段も無くなるということだ。
ところが、公衆電話ならつながったらしい。
家人の話だと、家族への携帯電話へかけたのも何とかつながったとか。
ただ、公衆電話前には行列ができたとか。携帯電話が一般的になったことで、公衆電話が少なくなったことと、大きな店も壊滅状態で開いていないので、そこに設置された公衆電話は使えなかったということだ。今回は、外にあるボックスが頼りだったということのようだ。
昔は、街の小さな雑貨店前では必ずと言っていいほどごく普通に公衆電話を見かけた。それが、今ではほとんど見かけなくなっていた事を意識したのも今回の震災だ。
日常的に使う事は無かったので、設置場所を意識していなかった。
もっと驚いたのは、旧式の固定電話ならもっと速くつながったことを知った事だ。
家人が、公衆電話からお節介で近所の一人暮らしの方の御家族に無事をお知らせしたらしい。そうしたら、とうに連絡がついていたとのことだ。機械式のダイヤル式固定電話なら震災の初期の段階でも連絡できたということだ。
時代の流れに沿って、緊急時につながりやすいように携帯電話のシステムを改良しようとしているようだが、旧式固定電話や公衆電話などの多様な組み合わが可能なら、今のシステムでも対応できるらしいということだ。
携帯電話の難しいシステムを使ったらしい近親者からのメールが届いたのは、震災の翌日だった。ただ、当方はそのシステムが使いこなせないので、受信してしばらくたってから返信した。