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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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今からおもえば⑦一般的な科学情報と専門家の科学情報④

 ロイター「特別リポート:地に落ちた安全神話─福島原発危機はなぜ起きたか」によると、東電の専門家チームは、4年前に50年以内に想定を超える「9メートル以上の高い波がおよそ1パーセントかそれ以下の確率で押し寄せる可能性がある」との英文レポートを出しているという。

 このことは、先に「科学的にも想定できないと主張するのは、行政的に権威を裏付けられた地震や原発を研究対象とする専門家という狭い範囲の方らしい」としたが、この地震を想定していない方の範囲はもっと狭いという事を意味するのかもしれない。

 東電の中でも、科学を専門とする方々は、少なくとも2007年には今回の大災害は長期的な可能性として起こり得ると想定していたということになるからだ。その確率は1%。
 同社の科学者が出したこの想定に対して、経営的な判断としてこれを「想定外」にすることが選択されたと考えられる。経済効率を優先する判断によって、この1%の想定を無視した基準で施設がつくられていることを意味したと考えていいのだろうか。そして、これを行政的に指導する立場の方々は、政治的な判断によってこれを是としてきたのではないかというは勘ぐりだろうか。

 この結果の現象が現在進行中なので、この事の整理はここまでにしたい。
 個人的な思考の整理として、13日の「毎日新聞」の有識者の座談会記事の「想定外」の意味が分かりかけてきたということにとどめる。
 もう一つ、報じられた東電の専門家チームの想定は、抜き書きさせていただき整理しておく。

 ○ 福島原発は1―2mの津波に見舞われる可能性が高い。
 ○ 9m以上の高い波がおよそ1%かそれ以下の確率で押し寄せる可能性がある。
 ○ 13m以上の大津波(今回の津波規模)は、0.1%かそれ以下の確率で起こりうる。
 ○ 高さ15mを超す大津波が発生する可能性もある。

 そのうち、津波の高さが設計の想定を超えるのが、9m以上で可能性1%。
by shingen1948 | 2011-04-02 06:04 | ☆ 地域・自治話題 | Comments(0)