岩代清水の泉と池をめぐる21
2011年 02月 21日
実際に扇状地の上部まで確認していくと、当然奔流は松川であり、小さな川々はそこから分水されたもののようだった。
そこには、水との戦いのための風景があり、ひょっとすると洪水筋なのかもしれないが、松川の南流の可能性も秘めた川筋といったものまで感じられた。少なくとも松川水系という言葉に実感も持てた。
廻った岩代清水の泉と池を特徴づけるのは、そんな松川水系の中での豊かな湧水ということだ。そこから流れ始まる小さな川は、松川奔流から分水された水ではない。そこから川が始まるということだ。
最初に川の始まりというものを実感したのは3年前で、それほど古い話ではない。
安達太良山麓の風景だった。この時にも整理はしたが、それは、カゲロウとの出会いや、水質が中心だった。その風景を、川の始まりの実感という観点から整理し直しておく。
そこは和尚山麓で、湿原が広がる風景があった。
この奥に和尚山、前岳、安達太良山と続く。恐らくは、それらの山々が蓄えた水が元になっている風景なのだと思う。
この湿原の近くには、近くの村の水源を求めた施設が建っている。
こんな湿原の風景のやや低地に、川の始まりを実感させる湧水の風景がある。
ここから湧き出た水は、地表近くを濡らしているという感じなのだが、やがて溝に集まりだすのだが、そこまでにかなりの水量になっているのだ。
その溝に集まりだした風景だが、これが湧き出た地点からそれ程離れていない。もうここで、川を意識している。
その流れをたどると、それから直ぐに、こういった谷川の風景になるという事だった。
ここを散策したことは、水生生物の興味でまとめているが、川って、こうして流れ始まるのだという実感があって、感動した。
これが原点の風景だが、今回の散歩では、やや人工的な風景の中に、それに近いものが感じられたということだ。