地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン

大笹生⑧~豊かな水系

 八反田川は、平地部では堰と見間違うほどだが、自然の川だ。自然に湧き出た水が集まって川となり、平地を潤している。その風景は、取り立てて特徴のある風景でもなく、日常性に溶け込んでいる自然でもある。取り立てて、その恵みに感謝するということもなく見慣れてしまっているのだが、白和瀬神社も、大福寺鯉返り観音も、八反田川の源流を意識し、その恵みに感謝しているという原点のようなものにふれたような気になる。
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 安養寺を過ぎたあたりの道沿いの湧水には、清水地蔵が建っている。


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 案内には由来を「往時から福島・米沢を往来、亦山入りする人が、必ず口にし一刻を忘れて憩う水場で、沼の原水となっている」と説明する。

 この道を更に進むと、山道に入るところに、近年「トッチ清水」の施設ができた。
 そこに安養寺名水トッチ水「記念事業誌」の石碑がある。


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 この給水施設の水源は、この地より1500メートル山奥の字巌平地内岩場の断崖から滝状に湧き出ておった通称トッチ水であります。
 その語源は定かではありませんが、遠い昔から険しい徒歩道を山仕事に勤しむ里人の行き来に、途中の清水(トッチミズの愛称)で喉を潤し、疲れをいやすひと時の憩いの場であったと人は言う。
 また、明治42年、先人達が自然の恵みに感謝致しつつ更なる願いを込めてこの地に水神を祀り、その景観と共に親しみ愛用されてきました。
 時は移り、この名水を生活用水に活用すべく地域の人々が一体となり英知を結集した結果、昭和34年当組合設立の原点となりました。
 以来41年、生活用水として絶えることなく地域社会を潤してきましたが、広域水道という時代の要請により、当組合は上水道に統合することとなり、名水トッチ水は水源としてその使命を閉じることになりました。時代の返還とは申せ、名水の歩みに想いを致し感謝ひとしお、このまま自然に還すことは地域の心情として忍びがたく、種々検討された結果、水道局の理解と安養寺町内会の協力を得て、上水道統合記念事業としてこの施設を作ったものであります。
 名水トッチ水が広く世の人々に親しみ愛用され、永久に地域社会を潤すことを信じ記念として之を記す。
平成13年11月1日
大笹生簡易水道組合
組合長 安西 ○ 選文

 この碑は二つの事を訴えている。
 その一つは、先人たちは、この地の豊かな水の恵みを頂くための施設として、この簡易水道組合を設置したということだ。その豊かな水の恵みを飲料水として分け頂いた歴史を刻み残す施設として設置したということだ。このことは、形は違うが、各神社と同じように、豊かな水の恵みに感謝する施設に思える。
 この碑には、もう一つの主張があるらしい。それは福島の広域水道に統合するのは、時代の要請だということだ。
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by shingen1948 | 2010-06-29 05:13 | ◎ 水 | Comments(0)