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地元学でいう「風の人」として足元を見つめたり、できことを自分の視点で考えたりしています。好奇心・道草・わき道を大切にしています。


by シン
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福島の建築38~藪内時計店

福島の建築38~藪内時計店_a0087378_563089.jpg
 時計台が懐かしい。
 しかし、風景として懐かしいだけではなさそうだ。時を刻むものへの憧れがあった自分が懐かしいということもある。
 万年筆と腕時計は、上の学校に合格した時に、その御祝いで買ってもらうもので、貴重品だった。その買ってもらった時計も、本当に必要な時だけ身につけるということで、ふらりと町に出かけるときに持ち歩かなかった。
 そのために便利な時計台があったということだ。
 飾りではなく、役割を持った時計台だったという懐かしさだ。
 万世町通りに、新たに時計台ができたが、これにはそういった存在感は期待できない。みんな時を刻むものを持っているからだ。
 腕時計、携帯電話、……。欲しければ100円ショップにだって売っている。

 この藪内時計店は、「ふくしまの西洋造り~明治洋風建築の通観(草野和夫著)」では、店舗が洋風だったことに着目されている。
 甚平火災以降でも、なかなか洋風の店舗は現れていなかったという。そんな中での洋風店舗ということだ。
 「明治22年に改築された土蔵造り二階建て擬洋風店舗で、二階中央に時計台を上げていた。この時計台は、福島市の指定文化財として現存する」と紹介する。
 時代の最先端を走ってきたが、周りが時代に追いついて、その役割を終えたという意味もあるらしい。  
 ※ 「ふくしまの西洋造り~明治洋風建築の通観(草野和夫著)」で、先に整理した「裁判所」の建物について、裁判所は何故か和風の建物が多い趣旨の紹介があって、面白い見方だなと思った。

※ 時計店名が、ただしくは「藪内時計店」のところ、思い込みがあって、誤って「藪木時計店」としていました。6/6に修正しました。
Commented by としぼー at 2010-06-02 05:49 x
なつかしい写真ばかりで、ついコメントしたくなります。昨年、この店でメガネをつくりました。写真に稲荷神社の祭礼をうかがわせる縄が張ってあるのも季節を思わせます。息子の同級生が継いで元気です。
Commented at 2010-06-06 01:24 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by shingen1948 at 2010-06-06 18:00
ありがとうございます。思い込みです。修正します。
Commented by shingen1948 at 2010-06-06 18:12
 「としぼー」さんへ
 コメントありがとうございます。この整理をきっかけに、懐かしい建物の話をする機会が増えました。そんな中で、高校生とか、短大生とかという保存の権限のない方は、結構保存運動を展開したらしいことが分かりました。ただ、権限のある方が、ちゃちな運動を無視するという流れのようですね。権限を持たない小さな市民の運動には関心がないというのは、今も変わらないようですね。
 
Commented by TUKA at 2010-06-12 21:51 x
郡山では市史編纂委員とか図書館長などが市長に保存を進言しましたが、
結局取り壊されてしまった建物がありました。
県下一の大地主だった橋本家の邸宅はこうして消えました。
by shingen1948 | 2010-06-02 05:04 | ◎ 福島の建築 | Comments(5)